京都民医連あすかい病院 往診センターのブログ

京都民医連あすかい病院の訪問診療を担う、往診センターのブログです。

人として、看護師として・・・

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往診担当の看護師として働き始めて、
今年の12月で丸4年になります。

業務は慣れてきましたが、看護師の役割は奥が深く、
まだまだ未熟なところがあります。
いつも、これでよかったのかと反省する毎日です。

センター長の着任以降、ターミナルの患者さまが増えてきています。
今は、がん告知が当たり前ですが、
私が働き始めた頃は、ご家族が告知しないで欲しいとの希望が多く、
未告知のまま生涯を終えられる患者さまの方が多かったです。

そんな時代に、私が関わった患者さまの中で、
看護師として生きていく支えとなっている方が居られました。

看護師になって5~6年が経った頃に出会った患者さまで50代の男性、
膵臓癌と診断されていましたが、内縁の奥さまが本人には言わないで欲しいと
希望されたので、告知はされていませんでした。
しかしある日、私が検温に訪室したところ、
「俺は癌か?」と質問されました。
「そんなことないよ」と、私は答えたのですが、
「やっぱり癌か。わかった。
 でも、お前から聞いたって言わへんで。
 俺が知ってるって、嫁はんには知られんようにするからな。
 お前は心配せんでええで。
 俺は、お前やし聞いたんやで。」と言ってくれました。

当時、私自身、看護師として、人としても未熟であり、
大人な対応はできませんでしたが、
私を選んでくれたことに自信を持ち、
これからも患者さまに選んでもらえる看護師になろうと思い、
ずっと働き続けてこれたのです。

20代の頃の私よりは、ちょっと大人な看護師になれていると思いますが、
その年齢にしか体験できないこともたくさんあり、日々勉強です。
今、50代の男性と同世代になって思うことは、
死に対して不安ですが、自分の人生は自分で決めて生きたいと思います。

あの時、あの男性は、自分の病名を知ることで、余命を自分らしく生きられたのではないかと思えます。
だから、今の私の役割は、自分らしく、住み慣れたご自宅での最期を迎えられるように、
他職種と協働しながら、できる限りのサポートしていくことだと思っています。
みなさん、これからも、どうぞよろしくお願い致します。



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