京都民医連あすかい病院 往診センターのブログ

京都民医連あすかい病院の訪問診療を担う、往診センターのブログです。

身じまいを考える

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 先日、NPO法人「野の花」の方より『身じまい』を考えるセミナーの講演依頼をいただき、お話させていただきました。春のとても清々しい季節のしかも真っ昼間に、「身じまい」「老い」「死」をテーマにお話しするのは多少違和感があったものの、折角いただいた機会であり、少しでも聴講者の記憶に残る話がしたいと思い、ゴールデンウィーク中、どこにも出かけず、がんばってスライドを作成し、発表させていただいた。
 前半では、老いていくに際して、どのようなことを考えておくことが必要であるかをお話しさせていただいた。具体的には、自立して生活を行えなくなったときに、どこで誰と過ごしたいかや、手術などの辛さの伴う治療をどの時期までなら受けたいか(例えば、杖歩行となるまで、車いす生活となるまで、寝たきりになるまでなど)、延命のための治療をどの時期までなら受けたいか、老いて食べられなくなったときにどうして欲しいか(胃ろうや点滴など)などである。また、老いて弱ったり、最期の時期がそう遠くない状況において、入院や手術、延命治療などの医療をどのように考えればよいかをお話しした。超高齢化社会、多死社会にある現在、治療や延命を目標とした従来の医療一辺倒から、老いても、不治の病や障害を抱えていても、最期の時期が近くとも、最期まで自分らしく過ごせることを目標とした医療の普及が重要であることをお話しさせていただいた。
 後半では、ご要望に応えて、在宅で最期まで過ごすコツをお話しさせていただいた。苦痛をしっかり緩和することだけでなく、患者さん・ご家族の抱えている不安を軽減すること、介護者の方の身体的・精神的負担を軽減することが重要であることをお話しさせていただいた。
 熱心に聴講していただいた皆様が、暗い気持ちでお帰りになられていないことを願う。

センター長


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